Blu-ray

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ゴンドラ

生きること、それはもう一度愛すること
あなたには居場所がありますか?
★日本映画史上燦然と輝くインディペンデント映画の至宝であり奇跡。遂に初DVD・Blu-ray化!(オリジナルネガテレシネHDマスター)
★「本当に作りたい映画」「いつまでも愛される映画」を作ろうと集まった20代若者たち、配給も公開も未定のまま誕生させたこの作品はには映画館のスクリーンは固く閉ざされていた。しかし、この映画に込められた情熱と愛が“静かな大騒ぎ”を巻き起こす。1986年に完成し、なんとか1987年に上映させると、ほぼノンプロモーションながら約2万5千人(劇場7か所)を動員する異例のヒットを記録した。その後、VHSが発売されるも、この伝説の映画はDVD化を期待されたまま沈黙に入る。それから30年後の2017年に突然、ニューマスターによるアンコール上映が発表されるとSNS等で大きな話題となる。初上映以来の少女かがりとの再会を願う人々、初対面のかがりに心を躍らせる若い人々、多種多様な人々が劇場に押し寄せ、劇場19か所、1万人以上の動員という異例の再ヒットとなった。

★Blu-ray(セル専用)
DIGX-1069 税抜¥5,800

★セルDVD DIGS-1069 税抜¥3,800
★レンタルDVD DIGR-1069

■予告編は こちら
■『ゴンドラ』DVD・Blu-ray発売記念伊藤智生監督インタビューこちら


【特典】
●Blu-ray封入特典:「ゴンドラ」サウンドトラックCD+劇場版パンフレット縮尺再編集版
●Blu-ray・DVD共通映像特典:「予告編 (2017年劇場版)」、「予告編 (2017年プロデューサー編集版)」

◆「三十年の時を経てこれに匹敵する邦画が見当たらない。映像と音楽、空間の芸術、感覚の芸術。何百何千本観なくてもこの一本だけ観たい、そんな作品」 斎藤工(俳優・映画監督)
◆「『ゴンドラ』は、美しい情感を持った映画である。やさしく、心がこもっており、ていねいな仕上がりだ。映画づくりが総じてますます乱暴な方向に向かってゆく傾向の中にあって、これは貴重なことだと思う。」佐藤忠男(映画評論家)
◆「薄っぺらな愛と感動に占領された日本映画の銀幕(スクリーン)上の「乾ききった夢(ドライ・ドリーム)」を潤すに十分な、ナイーヴで水々しい感性にあふれた劇映画である。その美しきナイーヴさの底に秘められた「浮遊する魂」の叫びは、満たされない感動(カタルシス)の呼吸困難に喘ぐ、ガラスケースの中の観客たちの心の奥の大切な部分に、ある共振をひき起こすに違いない。」石井聰互(岳龍)(映画監督)
◆「『ゴンドラ』は迸る作品だ。水彩画の筆の動きに、微かな、幼児の記憶のように幽かな音を入れる、という感性の迸りに、日本映画、いや全映画の中で、かつてなかったこの大胆で繊細きわまる感性の迸りに、そしてラストシーンの夥しい灯のゆらめきの迸るような美しさに感動しない人はいない筈だ。今、この映画の迸りは、せき止められている。日本映画界は、この迸るものをして、完全に、烈しく迸らしめねばならない。」森崎 東(映画監督)
◆「まるで十歳の少女、そのもののような映画だ。ぶっきらぼうで、かたくなで、挑戦的で。だから限りなく優しくて、いたわり深くて。真の底からリアリストであるがゆえに、とめどなくロマンチシズムを紡ぐ。十歳の少女は、それ自体、奇蹟だ。その少女の目から、人間を見た。その時、例えば、海は固有の物語となった。そこにこの作者のこだわりがある。ギクシャクしたそのこだわりが、ひとつの生命力を持ち、音楽となり、言葉となった。その言葉に耳を傾け、その心の響きに耳を澄ます悦びが、この映画にはある。美しい映画だと、ぼくは思う。」大林宣彦(映画監督)
◆「なんにもないってことがちゃんと表現になってる。登場人物がかるがるしく事態を解説したり、主題を説明したりしないのがいい。こんなふうにいいつづけているときりがないな、でもいい映画ってどうしてもこういう話しかたになるんでしょ。つまり感想が抽象的にならないんだよね、場面場面の細部に目がいっちゃう。この映画の主題や問題について語ろうとすれば言葉はいくらでも消費できるけれど、そういう語りかたで語ることはこの映画にふさわしくないと思った。」谷川俊太郎(詩人)
◎美しい映像と幻想的な色彩に透明なメッセージを封印して、現代に生きるひとりの少女の「心の対話(モノローグ)の物語」を刻み込んだ傑作。
◎都会、母子家庭、いじめ、孤立・・・・笑うことのない瞳をもった少女“かがり”、高層ビルの“ゴンドラ”の中で居場所を失う窓拭きの青年。奇跡的に出会った二人は旅に出る。命の原風景に導かれ<暖かい北>へ-
◎都庁建設前の80年代の西新宿ビル街、今では不可能な新宿住友ビルからの撮影、目黒林試の森公園内研究所跡地、開発前の芝浦の線路等、東京の風景の数々は必見。

【スタッフ&キャスト】
監督:伊藤智生(TOHJIRO)-第一回監督作品-/原案・脚本:伊藤智生、棗耶子/プロデューサー:貞末麻哉子/撮影:瓜生敏彦/照明:渡辺 生/編集:掛須秀一/音楽:吉田 智
出演:上村佳子、界 健太、木内みどり、出門 英、佐々木すみ江、佐藤英夫、鈴木正幸、長谷川初範(友情出演)、奥西純子、木村吉邦
■伊藤智生監督・・・横浜放送映画専門学校(現日本映画大学)在学中、『黒木太郎の愛と冒険』(1976年/ATG/森崎東監督)で映画制作現場デビュー。1979年、六本木にクリエイティブスペースOM<オム>を設立。1984年に『ゴンドラ』制作に着手。1989年、TOHJIROの名前でアダルトビデオの世界に飛び込み、独特の人間描破術を駆使した作品で高い評価を得る。現在は、二本目の一般映画を準備中である。
1987年 OCIC日本カトリック映画大賞受賞
1988年 オーストラリア・ブルーデンツ国際映画祭審査員特別賞授賞
1987年 トロント国際映画祭正式招待/ウィーン・シネアジア映画祭正式招待/香港 第2回ジャパン・インディペンデント・フィルムフェスティバル正式招待
1988年 インド国際映画祭正式出品/ニュージーランド現代日本映画祭参加/ポルトガル青少年国際映画祭正式出品/メルボルン映画祭正式招待
1989年 東京国際映画祭正式招待
日本映画ペンクラブ推薦・文部省選定
1987年作品 ©TEAMゴンドラ

作品一覧へ

推薦コメント〉

 あの男は満員の痴漢電車の乗客だった。車内エキストラのくせに「この後、撮影をを見学してもいいですか?」と終日撮影にまとわりつき、いつの間にか獅子プロにもぐり込んでいた。普段はマジメで寡黙・が・酒が入ると訳のわからぬ大法螺吹きに大変身、失敗多数。つくづくアウトプット下手なれど、思いを打ちまけたデビュー作で見事に意気衝天!
観る側にもエネルギーを求める佐藤寿保映画の初号試写で感心したことを思い出した。
滝田洋二郎(映画監督)

 20才代の頃、佐藤寿保さんの映画の助監督をつとめた。ツラかったが、なぜか嫌な思い出じゃない。どちらかというと自慢したい。佐藤寿保さんは変わらない。「止まっているってことと、変わらないってことは違うんだ」寿保さんのことを考えるといつも故PANTAさんの言葉を思い出す。羨ましいと思う。その原点である映画が新たに陽の目を見る。祝福です!
瀬々敬久(映画監督)

 ピンク映画はセックスではなく不能と鬱屈を描くものであり、鬱屈と暴力は若者の特権だ。『激愛!ロリータ密猟』の誰よりも深い絶望は、いまなお我らの胸をかきむしる。
柳下毅一郎(映画評論家/翻訳家)

 嫌な気持ちにさせてくれるディテール。しかし気づくとスッキリさせてくれる。ざっくりと言えば「ヒドイ」映画なのだが、この『激愛!ロリー密猟』の場合それが最上級の褒め言葉にいつしか化けてしまう、とにかくヒドイ映画。必見!
根本敬(特殊漫画家)

 この映画を観て映画制作を志したと云っても過言ではない名作中の名作。
小林良二(映画プロデューサー)

 コンプラ遵守、ジェンダー平等、ハードコア・ポリコレな21世紀の現代に、時空の裂け目が生じ、20世紀の闇から堕ちてきたピンク色の歪な残像!!!!! こんな奇想の封印を解くなんて、不適切にもほどがある!!!!!!!
宇川直宏(“現在”美術家/DOMMUNE主宰)

 陰鬱とした狂気が棲む地下の部屋。新宿の強烈な眩しさ。赤いハイヒールに流れる血。シャッターを切り自ら脱ぐ伊藤清美さんに全身をぶち抜かれた。この作品を見たばっかりに、佐藤寿保作品を求めいまだ亡霊のように彷徨い続けている。
遠藤倫子 (映画zine ORGARM発行人)

 私には「死んだら棺桶に入れるものリスト」がある。
そこにこの映画のタイトルを記す夢が叶った。
だからもう、いつ死んでもいい。
シブヤメグミ (バー浮かぶ・二代目店主)

 淫乱と暴力と初期衝動!
 ノイズやパンク、ロックに造詣が深いところにも衝撃を受けました。
そんな寿保監督のデビュー作が家で観られるなんて!
中原昌也(ミュージシャン/文筆家/映画評論家)

 孤独で混乱した精神の前に、無邪気な人々が行き交う雑踏のどれほど残酷なことか。1985年、バブル直前の新宿に、決して救われ得ない2つの魂が交錯するとき、血と淫欲が〈イノセンス〉を塗り潰す! 身を立て! 名をあげ! やよ励めよ! 真の解放はいつも、血まみれのイニシエーションの先にしか残されていないのだから。
髙橋ヨシキ(アートディレクター/映画評論家/サタニスト)

 私が20歳だった頃の新宿が舞台。毎日のように新宿にいた頃。観ているうちに当時の頭の中をのぞいているような気分になった。不安と根拠のない自信のカオス。ラスト近くのヒロインが不思議な美しさだった。
古市コータロー(ミュージシャン)

 かつてピンク映画館なるものが街中にあった頃、青少年たちは自分の内に秘めた性衝動を、暴力を、妄想を、青暗いスクリーンの中に投影させていた。
 じっとり湿ったシートを、男女のまぐわいを照らし出すぼんやりとした映写機の明かりを、そのやりきれなさを。
 すべて爆発させるために、パンクするしかなかった。
 映画館を、新宿を、狂った触覚がパンクする。
松永天馬(ミュージシャン アーバンギャルド/松永天馬のA研!)

 薄暗闇が終始美しい映画だった。裸電球と炬燵の光に晒される素肌と陰影。ココロとカラダを温めあうのが下手くそ過ぎる悲しい人間たち。誰もいない夜明けの新宿通りのカットはハタチの時の自分の視線ではないかと錯覚した。
宙也(ミュージシャン アレルギー/De-LAX/LOOPUS)

 デビュー作にして、すでに寿保度数120%の傑作! 瑞々しいボーイミーツガールの物語を、問答無用の過激な暴力と流れ落ちる血の鮮烈さが彩る。ゲリラ撮影の80年代新宿の、人が溢れながらも冷ややかな光景が最高!
真魚八重子(映画評論家)