DIGS-1074
¥3,800(税抜)
さらば映画の友よ
インディアンサマー
日本映画界に欠かすことのできない名監督 原田眞人(『燃えよ剣』、『クライマーズ・ハイ』)が
映画を愛するすべての人に贈る映画愛が満載のデビュー作が待望の初DVD化!
■DVD版の予告編は こちら
多くの映画ファンが長年DVD化を熱望し、DIGレーベルにも多くのDVDリクエストが寄せられていた
幻の傑作を原田眞人監督監修のもとDVD化。
※本作は原田眞人監督監修のもと、
原版素材として現存する上映用フィルムを使用しDVD化いたしました。
一部、原版に起因する映像・音声の不良に関しましてはあらかじめご了承ください。
【DVD特典】
縮尺再編集版劇場用パンフレット
シューマは沼津に住む浪人生。受験のことよりも映画館に通うことと早く童貞を捨てることだけに心をくだいているような十九歳。そんな彼が「俺の人生の目的は1年365本の映画を見ること。それを20年続けること」とうそぶく奇妙な中年男ダンさんと出会い、またたく間に意気投合する。ダンさんの映画狂ぶりはケタはずれ。次から次に名作映画のセリフが飛び出すかと思えば、突如ハンフリーボガードになったり、「雨に唄えば」を踊り出してうっとりしてしまう。二人の珍妙な友情はいつまでも続くかと思われたが、シューマが美少女ミナミに恋をしたことからギクシャクしはじめ、そして、ダンさんとシューマに決定的な一日が訪れるのだ・・・・・。
「劣化した上映プリントをここまでオリジナルに近い形で
復元してもらえて感謝!」(原田眞人)
●映画が好きで好きでたまんなかったあいつ、スクリーンの中で死んじまったよ! (公開時の惹句より)
●映画もまた確かな人生のひとつなのだ!
●スクリーンと現実を同時に生きた男。映画を愛し、愛するあまり映画そのものだった男。そんな男のアナーキーな生きざまのおかしさと哀しみが、1960年代の青春風景の中で、いわば“ジャパニーズ・グラフティ”とでもいったタッチで描かれる。
●1970年代、アメリカで映画評論活動を行っていた原田眞人はハワード・ホークス監督の訃報を受け、彼に捧げる映画を!と本作のシナリオ執筆を開始する。監督の頭の中にはすでに川谷拓三を想定して書き進めていったという。原田眞人29歳、川谷拓三37歳、二人の映画狂が貯めこんだ映画愛を出し合いながらこの映画は完成した。篇中に散りばめられた名作映画のエッセンスをご堪能あれ!
●デビュー作にして川谷拓三、、浅野温子、鈴木ヒロミツ、トビー門口、石橋蓮司、室田日出男、原田芳雄、石上 三登志(!)、宇崎竜童(音楽)、長谷川元吉(撮影)、崔洋一(助監督)ら豪華&ツボをついた出演者・スタッフ!特にガンアクションのパイオニア、トビー門口が歌声を披露し、銃器指導も兼任している点は特筆もの!
●物語の舞台は1968年秋から1969年にかけて。“3億円事件”“東大闘争”・・・といったニュースが街を駆け抜けていた頃。物語を彩るのは宇崎竜童選曲による日本のオールディーズソングたち。「ジャパニーズ・グラフティ」と思わず呼んでみたくなる!「廃墟の鳩」(ザ・タイガース)、「おかあさん」(ザ・テンプターズ)、「愛する君に」(ザ・ゴールデンカップス)、「ブルーライ・トヨコハマ」(いしだあゆみ)、「恋の季節」(ピンキーとキラーズ)、「グッドナイト・ベイビー」(キングトーンズ)、。「あの時君は若かった」(ザ・スパイダース)
(公開日1979年5月26日/配給:日本ヘラルド)
【スタッフ】
監督・脚本:原田眞人(旧表記「真人」)
撮影:長谷川元吉
音楽:宇崎竜童
製作:磯田秀人
助監督:崔洋一
【キャスト】
川谷拓三
重田尚彦
浅野温子
鈴木ヒロミツ
トビー門口
山口美也子、小杉勇二、石橋蓮司、室田日出男、原田芳雄
©1979 KittyFilm Inc.
推薦コメント〉
あの男は満員の痴漢電車の乗客だった。車内エキストラのくせに「この後、撮影をを見学してもいいですか?」と終日撮影にまとわりつき、いつの間にか獅子プロにもぐり込んでいた。普段はマジメで寡黙・が・酒が入ると訳のわからぬ大法螺吹きに大変身、失敗多数。つくづくアウトプット下手なれど、思いを打ちまけたデビュー作で見事に意気衝天!
観る側にもエネルギーを求める佐藤寿保映画の初号試写で感心したことを思い出した。
滝田洋二郎(映画監督)
20才代の頃、佐藤寿保さんの映画の助監督をつとめた。ツラかったが、なぜか嫌な思い出じゃない。どちらかというと自慢したい。佐藤寿保さんは変わらない。「止まっているってことと、変わらないってことは違うんだ」寿保さんのことを考えるといつも故PANTAさんの言葉を思い出す。羨ましいと思う。その原点である映画が新たに陽の目を見る。祝福です!
瀬々敬久(映画監督)
ピンク映画はセックスではなく不能と鬱屈を描くものであり、鬱屈と暴力は若者の特権だ。『激愛!ロリータ密猟』の誰よりも深い絶望は、いまなお我らの胸をかきむしる。
柳下毅一郎(映画評論家/翻訳家)
嫌な気持ちにさせてくれるディテール。しかし気づくとスッキリさせてくれる。ざっくりと言えば「ヒドイ」映画なのだが、この『激愛!ロリー密猟』の場合それが最上級の褒め言葉にいつしか化けてしまう、とにかくヒドイ映画。必見!
根本敬(特殊漫画家)
この映画を観て映画制作を志したと云っても過言ではない名作中の名作。
小林良二(映画プロデューサー)
コンプラ遵守、ジェンダー平等、ハードコア・ポリコレな21世紀の現代に、時空の裂け目が生じ、20世紀の闇から堕ちてきたピンク色の歪な残像!!!!! こんな奇想の封印を解くなんて、不適切にもほどがある!!!!!!!
宇川直宏(“現在”美術家/DOMMUNE主宰)
陰鬱とした狂気が棲む地下の部屋。新宿の強烈な眩しさ。赤いハイヒールに流れる血。シャッターを切り自ら脱ぐ伊藤清美さんに全身をぶち抜かれた。この作品を見たばっかりに、佐藤寿保作品を求めいまだ亡霊のように彷徨い続けている。
遠藤倫子 (映画zine ORGARM発行人)
私には「死んだら棺桶に入れるものリスト」がある。
そこにこの映画のタイトルを記す夢が叶った。
だからもう、いつ死んでもいい。
シブヤメグミ (バー浮かぶ・二代目店主)
淫乱と暴力と初期衝動!
ノイズやパンク、ロックに造詣が深いところにも衝撃を受けました。
そんな寿保監督のデビュー作が家で観られるなんて!
中原昌也(ミュージシャン/文筆家/映画評論家)
孤独で混乱した精神の前に、無邪気な人々が行き交う雑踏のどれほど残酷なことか。1985年、バブル直前の新宿に、決して救われ得ない2つの魂が交錯するとき、血と淫欲が〈イノセンス〉を塗り潰す! 身を立て! 名をあげ! やよ励めよ! 真の解放はいつも、血まみれのイニシエーションの先にしか残されていないのだから。
髙橋ヨシキ(アートディレクター/映画評論家/サタニスト)
私が20歳だった頃の新宿が舞台。毎日のように新宿にいた頃。観ているうちに当時の頭の中をのぞいているような気分になった。不安と根拠のない自信のカオス。ラスト近くのヒロインが不思議な美しさだった。
古市コータロー(ミュージシャン)
かつてピンク映画館なるものが街中にあった頃、青少年たちは自分の内に秘めた性衝動を、暴力を、妄想を、青暗いスクリーンの中に投影させていた。
じっとり湿ったシートを、男女のまぐわいを照らし出すぼんやりとした映写機の明かりを、そのやりきれなさを。
すべて爆発させるために、パンクするしかなかった。
映画館を、新宿を、狂った触覚がパンクする。
松永天馬(ミュージシャン アーバンギャルド/松永天馬のA研!)
薄暗闇が終始美しい映画だった。裸電球と炬燵の光に晒される素肌と陰影。ココロとカラダを温めあうのが下手くそ過ぎる悲しい人間たち。誰もいない夜明けの新宿通りのカットはハタチの時の自分の視線ではないかと錯覚した。
宙也(ミュージシャン アレルギー/De-LAX/LOOPUS)
デビュー作にして、すでに寿保度数120%の傑作! 瑞々しいボーイミーツガールの物語を、問答無用の過激な暴力と流れ落ちる血の鮮烈さが彩る。ゲリラ撮影の80年代新宿の、人が溢れながらも冷ややかな光景が最高!
真魚八重子(映画評論家)