PADS-1015
¥4,180
(本体¥3,800)
よい子の殺人犯
2019年に台湾で公開され話題を呼び、
金馬獎の美術奨とデザイン奨にノミネート。
主演は、デビュー作のドラマ『危險心靈』(2006年)でいきなり台湾のテレビアワード金鐘奨の主演男優賞を受賞、2015年の『紅衣小女孩』で台北電影節で主演男優賞を受賞したホアン・ハー(黄河)。
監督は、社会派ミステリー『High Flash〜引火点(原題:引爆點)』のジャン・ジンシェン(莊景燊)。実話がヒントになった本作の脚本は、監督の公私ともにベストパートナーであるワン・リーウェン(王莉雯)と期待の新進脚本家廖柏茗(リャオ・ボーミン)。しっかり練られた脚本が、この作品のおもしろさの大きな要因となっている。
■DVD版の予告編は こちら
DVD特典
■封入特典:ブックレット(ジャン・ジンシェン監督、ホアン・ハー、インタビュー記事掲載)
(お二人の最新インタビュー映像が見られるQRコード封入)
■特典映像:●ワン・チェンリン(王真琳)オンラインインタビュー(約33分)
●劇中オリジナルアニメ「最強のボビッター」テーマ曲カラオケ
●ジャン・ジンシェン(莊景燊)監督メッセージ
●ホアン・ハー(黄河) 阿南役 メッセージ
●台湾版オリジナル予告編
【ストーリー】
日本のアニメ「ボビッター」に夢中のアナンは、母親と認知症の祖父と暮らしている。彼は社会から「負け組」「ガチヲタ」というレッテルを貼られているが、実は人と争うことが嫌いで善良な心の持ち主だ。
ある日彼の平穏な生活に、突然博打で失敗した叔父が乗り込んで来て、一家は突如緊張感に見舞われた。そんな中、アナンは「ボビッター」マニアの女の子に恋をする。彼女との甘い夢が実現しようとした矢先、思いも寄らないことが起こりアナンは失意のどん底に。そして、家庭ではとんでもないことが…。
【スタッフ】
■監督:ジャン・ジンシェン(莊景燊)
■脚本:ワン・リーウェン(王莉雯)、廖柏茗(リャオ・ボーミン)
【キャスト】
ホアン・ハー(黄河)、ワン・チェンリン(王真琳)
■原題:最乖巧的殺人犯/2019年/台湾/カラー/80分
■日本劇場公開:2021年「台湾巨匠傑作選2021」にて
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推薦コメント〉
あの男は満員の痴漢電車の乗客だった。車内エキストラのくせに「この後、撮影をを見学してもいいですか?」と終日撮影にまとわりつき、いつの間にか獅子プロにもぐり込んでいた。普段はマジメで寡黙・が・酒が入ると訳のわからぬ大法螺吹きに大変身、失敗多数。つくづくアウトプット下手なれど、思いを打ちまけたデビュー作で見事に意気衝天!
観る側にもエネルギーを求める佐藤寿保映画の初号試写で感心したことを思い出した。
滝田洋二郎(映画監督)
20才代の頃、佐藤寿保さんの映画の助監督をつとめた。ツラかったが、なぜか嫌な思い出じゃない。どちらかというと自慢したい。佐藤寿保さんは変わらない。「止まっているってことと、変わらないってことは違うんだ」寿保さんのことを考えるといつも故PANTAさんの言葉を思い出す。羨ましいと思う。その原点である映画が新たに陽の目を見る。祝福です!
瀬々敬久(映画監督)
ピンク映画はセックスではなく不能と鬱屈を描くものであり、鬱屈と暴力は若者の特権だ。『激愛!ロリータ密猟』の誰よりも深い絶望は、いまなお我らの胸をかきむしる。
柳下毅一郎(映画評論家/翻訳家)
嫌な気持ちにさせてくれるディテール。しかし気づくとスッキリさせてくれる。ざっくりと言えば「ヒドイ」映画なのだが、この『激愛!ロリー密猟』の場合それが最上級の褒め言葉にいつしか化けてしまう、とにかくヒドイ映画。必見!
根本敬(特殊漫画家)
この映画を観て映画制作を志したと云っても過言ではない名作中の名作。
小林良二(映画プロデューサー)
コンプラ遵守、ジェンダー平等、ハードコア・ポリコレな21世紀の現代に、時空の裂け目が生じ、20世紀の闇から堕ちてきたピンク色の歪な残像!!!!! こんな奇想の封印を解くなんて、不適切にもほどがある!!!!!!!
宇川直宏(“現在”美術家/DOMMUNE主宰)
陰鬱とした狂気が棲む地下の部屋。新宿の強烈な眩しさ。赤いハイヒールに流れる血。シャッターを切り自ら脱ぐ伊藤清美さんに全身をぶち抜かれた。この作品を見たばっかりに、佐藤寿保作品を求めいまだ亡霊のように彷徨い続けている。
遠藤倫子 (映画zine ORGARM発行人)
私には「死んだら棺桶に入れるものリスト」がある。
そこにこの映画のタイトルを記す夢が叶った。
だからもう、いつ死んでもいい。
シブヤメグミ (バー浮かぶ・二代目店主)
淫乱と暴力と初期衝動!
ノイズやパンク、ロックに造詣が深いところにも衝撃を受けました。
そんな寿保監督のデビュー作が家で観られるなんて!
中原昌也(ミュージシャン/文筆家/映画評論家)
孤独で混乱した精神の前に、無邪気な人々が行き交う雑踏のどれほど残酷なことか。1985年、バブル直前の新宿に、決して救われ得ない2つの魂が交錯するとき、血と淫欲が〈イノセンス〉を塗り潰す! 身を立て! 名をあげ! やよ励めよ! 真の解放はいつも、血まみれのイニシエーションの先にしか残されていないのだから。
髙橋ヨシキ(アートディレクター/映画評論家/サタニスト)
私が20歳だった頃の新宿が舞台。毎日のように新宿にいた頃。観ているうちに当時の頭の中をのぞいているような気分になった。不安と根拠のない自信のカオス。ラスト近くのヒロインが不思議な美しさだった。
古市コータロー(ミュージシャン)
かつてピンク映画館なるものが街中にあった頃、青少年たちは自分の内に秘めた性衝動を、暴力を、妄想を、青暗いスクリーンの中に投影させていた。
じっとり湿ったシートを、男女のまぐわいを照らし出すぼんやりとした映写機の明かりを、そのやりきれなさを。
すべて爆発させるために、パンクするしかなかった。
映画館を、新宿を、狂った触覚がパンクする。
松永天馬(ミュージシャン アーバンギャルド/松永天馬のA研!)
薄暗闇が終始美しい映画だった。裸電球と炬燵の光に晒される素肌と陰影。ココロとカラダを温めあうのが下手くそ過ぎる悲しい人間たち。誰もいない夜明けの新宿通りのカットはハタチの時の自分の視線ではないかと錯覚した。
宙也(ミュージシャン アレルギー/De-LAX/LOOPUS)
デビュー作にして、すでに寿保度数120%の傑作! 瑞々しいボーイミーツガールの物語を、問答無用の過激な暴力と流れ落ちる血の鮮烈さが彩る。ゲリラ撮影の80年代新宿の、人が溢れながらも冷ややかな光景が最高!
真魚八重子(映画評論家)