DIGS-1092
¥4,180
(本体¥3,800)
七人の刑事 終着駅の女
音楽一切なし!異様なドキュメタリー性が際立つ社会派サスペンス映画の大傑作『七人の刑事 終着駅の女』
◎巨大玄関口であった国鉄上野駅で起きた身元不明の殺人事件─七人の刑事たちの捜査で浮かび上がる貧しい地方と東京の人間模様、大都会の出入口で交錯する希望と絶望。
アクティブで生々しい映像、一切の音楽を排した演出により異様なドキュメタリー性が際立つ社会派サスペンス映画の大傑作。
◎音楽を排除したストイックすぎる演出ゆえか、公開当時ほとんどお蔵入りとなるも、後年、隠れた傑作として注目を集めてきた幻の映画が遂に初ソフト化!ほとんどの原版が残っていないドラマ版をふくめて『七人の刑事』がソフトになるのも初めてのことであり、刑事ドラマファンも必見。
◎鉄道ファン必見!当時の国鉄上野駅の貴重な映像記録の数々が本作を「駅映画」の傑作の一つであることを証明している。
◎音楽はないものの、特撮音楽の大巨匠渡辺宙明が「音響」として参加。人々の声、雑踏、ノイズ…あらゆる音が表情や色彩を持ったかのような際立った音の響かせ方が本作のもう一つの主役である。
◎監督は大映京都の助監督からキャリアをスタートさせ「レッド・パージ(赤狩り)」で映画界を追われた気骨の左翼映画人若杉光夫。吉永小百合の初主演作『ガラスの中の少女』(60年)の演出でも知られる。
●緻密に交差する物語を追う途中で、この映画には音楽がないと気づく。音楽の替わりに音響。渡辺宙明の見事な仕事。21世紀の名画座で発見された傑作。小西康陽
※原盤の状態により見づらい部分、聞きづらい部分があることをあらかじめご了承ください。
■DVD版の予告編は こちら
※高鳥都氏(ライター)による解説は
こちら
DVD特典
映像特典:劇場用予告編+オリジナルポスター画像
封入特典:プレスシート縮尺再編集版(日本語版)
【スタッフ】
監督:若杉光夫/脚本:光畑碩郎/企画:大塚和/音響:渡辺宙明/撮影:井上莞
【キャスト】
堀雄二、芦田伸介、菅原謙二、佐藤英夫、城所英夫、美川陽一郎、
天田俊明、笹森礼子、北林谷栄、大滝秀治
公開年度:1965年/本編87分
©日活株式会社
推薦コメント〉
あの男は満員の痴漢電車の乗客だった。車内エキストラのくせに「この後、撮影をを見学してもいいですか?」と終日撮影にまとわりつき、いつの間にか獅子プロにもぐり込んでいた。普段はマジメで寡黙・が・酒が入ると訳のわからぬ大法螺吹きに大変身、失敗多数。つくづくアウトプット下手なれど、思いを打ちまけたデビュー作で見事に意気衝天!
観る側にもエネルギーを求める佐藤寿保映画の初号試写で感心したことを思い出した。
滝田洋二郎(映画監督)
20才代の頃、佐藤寿保さんの映画の助監督をつとめた。ツラかったが、なぜか嫌な思い出じゃない。どちらかというと自慢したい。佐藤寿保さんは変わらない。「止まっているってことと、変わらないってことは違うんだ」寿保さんのことを考えるといつも故PANTAさんの言葉を思い出す。羨ましいと思う。その原点である映画が新たに陽の目を見る。祝福です!
瀬々敬久(映画監督)
ピンク映画はセックスではなく不能と鬱屈を描くものであり、鬱屈と暴力は若者の特権だ。『激愛!ロリータ密猟』の誰よりも深い絶望は、いまなお我らの胸をかきむしる。
柳下毅一郎(映画評論家/翻訳家)
嫌な気持ちにさせてくれるディテール。しかし気づくとスッキリさせてくれる。ざっくりと言えば「ヒドイ」映画なのだが、この『激愛!ロリー密猟』の場合それが最上級の褒め言葉にいつしか化けてしまう、とにかくヒドイ映画。必見!
根本敬(特殊漫画家)
この映画を観て映画制作を志したと云っても過言ではない名作中の名作。
小林良二(映画プロデューサー)
コンプラ遵守、ジェンダー平等、ハードコア・ポリコレな21世紀の現代に、時空の裂け目が生じ、20世紀の闇から堕ちてきたピンク色の歪な残像!!!!! こんな奇想の封印を解くなんて、不適切にもほどがある!!!!!!!
宇川直宏(“現在”美術家/DOMMUNE主宰)
陰鬱とした狂気が棲む地下の部屋。新宿の強烈な眩しさ。赤いハイヒールに流れる血。シャッターを切り自ら脱ぐ伊藤清美さんに全身をぶち抜かれた。この作品を見たばっかりに、佐藤寿保作品を求めいまだ亡霊のように彷徨い続けている。
遠藤倫子 (映画zine ORGARM発行人)
私には「死んだら棺桶に入れるものリスト」がある。
そこにこの映画のタイトルを記す夢が叶った。
だからもう、いつ死んでもいい。
シブヤメグミ (バー浮かぶ・二代目店主)
淫乱と暴力と初期衝動!
ノイズやパンク、ロックに造詣が深いところにも衝撃を受けました。
そんな寿保監督のデビュー作が家で観られるなんて!
中原昌也(ミュージシャン/文筆家/映画評論家)
孤独で混乱した精神の前に、無邪気な人々が行き交う雑踏のどれほど残酷なことか。1985年、バブル直前の新宿に、決して救われ得ない2つの魂が交錯するとき、血と淫欲が〈イノセンス〉を塗り潰す! 身を立て! 名をあげ! やよ励めよ! 真の解放はいつも、血まみれのイニシエーションの先にしか残されていないのだから。
髙橋ヨシキ(アートディレクター/映画評論家/サタニスト)
私が20歳だった頃の新宿が舞台。毎日のように新宿にいた頃。観ているうちに当時の頭の中をのぞいているような気分になった。不安と根拠のない自信のカオス。ラスト近くのヒロインが不思議な美しさだった。
古市コータロー(ミュージシャン)
かつてピンク映画館なるものが街中にあった頃、青少年たちは自分の内に秘めた性衝動を、暴力を、妄想を、青暗いスクリーンの中に投影させていた。
じっとり湿ったシートを、男女のまぐわいを照らし出すぼんやりとした映写機の明かりを、そのやりきれなさを。
すべて爆発させるために、パンクするしかなかった。
映画館を、新宿を、狂った触覚がパンクする。
松永天馬(ミュージシャン アーバンギャルド/松永天馬のA研!)
薄暗闇が終始美しい映画だった。裸電球と炬燵の光に晒される素肌と陰影。ココロとカラダを温めあうのが下手くそ過ぎる悲しい人間たち。誰もいない夜明けの新宿通りのカットはハタチの時の自分の視線ではないかと錯覚した。
宙也(ミュージシャン アレルギー/De-LAX/LOOPUS)
デビュー作にして、すでに寿保度数120%の傑作! 瑞々しいボーイミーツガールの物語を、問答無用の過激な暴力と流れ落ちる血の鮮烈さが彩る。ゲリラ撮影の80年代新宿の、人が溢れながらも冷ややかな光景が最高!
真魚八重子(映画評論家)